赤坂氷川山車保存会とは
地域おこしのシンボルとしての
山車を目指して
江戸時代、祭の華といわれた江戸型山車の巡行。
江戸から東京の著名な神社の多くの祭礼に用いられました。
赤坂氷川神社の祭礼「赤坂氷川祭」は、神社の宮神輿2基を氏子21ヶ町の山車13台が警固の形をとって巡行をする豪華絢爛なものでした。その情景は神社拝殿に納められている『祭礼山車行列額絵』に見ることができます。
千代田区教育委員会発行の『江戸型山車のゆくえ』には、 “山車の多くは東京から主として関東地方一円に流出していった。その最大の理由は「天下祭」「御用祭」の廃絶である。・・・さらに関東大震災・大東亜戦争の災禍を経たため、流出を免れた山車の多くが失われ、現在では都内で山車の完全な姿を残しているのは、千住氷川神社の『静御前』だけとなった”と記されておりますが、この地域には奇跡的に9体の山車人形と山車本体の一部が残存をしておりました。
当会は、この全国的に貴重な江戸型山車「赤坂氷川山車」を修復・復元させることで、江戸の祭文化を後世へ受け継ぎ、まちづくりの推進に役立てることを目的として、平成18年に発足いたしました。
これまで、地元町会・商店会・行政・地元企業をはじめとした皆様のご支援を賜りながら、山車人形9体、山車本体5本、飾り幕2枚の修復・復元作業を行ってきました。また、毎年9月中旬に行われる地域祭礼「赤坂氷川祭」では、都心のビル群を背景に山車巡行を実施しております。祭礼に携わる人々の輪は年々拡大し、赤坂氷川山車の認知度も徐々に向上してきております。さらに、祭礼時だけでなく、地域内の展示場でも赤坂氷川山車をご覧いただける機会も増えて参りました。平成30年(2018)に国際医療福祉大学に常設展示場を建設していただいたことを皮切りに、令和3年(2021)には赤坂氷川神社境内に赤坂氷川祭展示場が完成、また令和7年(2025)には赤坂二丁目にも常設展示場の建設が予定されています。
修復や巡行だけにとどまらず、山車が地域おこしのシンボルとしての役割を果たせるように、引き続き確固たる保存体制と安定的な巡行体制の構築に向けて活動を続けて参ります。
これまでのご支援に感謝するとともに、今後とも変わらぬご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
理事長 出野泰正
団体概要
名称 | 特定非営利活動法人 赤坂氷川山車保存会 |
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所在地 | 東京都港区赤坂6丁目10番12号 赤坂氷川神社内 |
代表者 | 理事長 出野泰正 |
設立目的 | 赤坂氷川神社に残る全国的にも貴重な江戸型山車「赤坂氷川山車」を修復し、そして確固たる保存体制を構築し、「赤坂氷川祭」をはじめ、各地域のまつりやイベント等への展示及び巡行を繰り返すことで、日本全国にこの貴重な文化遺産の存在を認知してもらい、併せて地域の子どもたちにも江戸の文化を体験してもらえるような企画を立て、「赤坂氷川山車」を後世に伝承することにより、まちづくりの推進及び学術・文化の振興に寄与することを目的とします。 |
事業の種類 | 1.赤坂氷川山車に関する調査修復事業 2.赤坂氷川山車の保存体制の組織固め及び保存施設の建設事業 3.赤坂氷川山車の展示及び巡行に関する管理運営事業 4.赤坂氷川山車の普及啓発事業 5.地域の子どもたちに対する江戸文化の体験事業 6.各山車関連団体からの情報収集及びそれらへの情報提供事業 7.赤坂氷川山車に関連する物品販売事業 8.その他目的を達成するために必要な事業 |
設立年月日 | 平成18年9月15日 |
赤坂氷川山車保存会のあゆみ
平成18年(2006)9月 | 特定非営利活動法人 赤坂氷川山車保存会 設立 |
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平成19年(2007)9月 | 赤坂氷川山車が80年ぶりに地域内を巡行 |
平成20年(2008)9月 | 『猩々』「翁二人立』の2本同時巡行 |
平成23年(2011)10月 | 『日本武尊』飾り幕2枚の修復が完了 |
平成24年(2012)9月 | 『日本武尊』『猩々』『翁二人立』の3本同時巡行 |
平成26年(2014)9月 | 戦後初の虎ノ門・溜池方面への巡行 |
平成28年(2016)9月 | 約100年ぶりに宮神輿と赤坂氷川山車の同時巡行 |
平成28年(2016) | 残存していた9体の人形全ての修復が完了 |
平成29年(2017)3月 | 国際医療福祉大学に常設展示場を建設 |
令和元年(2019)11月 | 天皇陛下御即位をお祝いする「国民祭典」にて『神武天皇』を巡行 |
令和3年(2021)9月 | 全国的にも珍しい三層型の山車『頼義』が完成 |
令和3年(2021)9月 | 赤坂氷川神社境内に赤坂氷川祭展示場が竣工 |